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猫に肥満細胞腫を発見 発見から切除まで

Twitterですこしお話しましたが、ルルピに1mmのしこりがあるのを発見し、それを切除しました。備忘録としてまとめておきます。

みなさんのご参考になれば幸いです。早期発見の一番の手立ては、日ごろのスキンシップで違和感を感じるか、だと思います。

 

 

5月29日頃

夜はルルピは私の自室で寝させるようにしているので毎晩回収します。うちには家族に老人がいるため、夜中に廊下でヘソ天して寝ているルルピを気づかず踏むなどの事故防止のために、夜は必ず私の部屋で過ごさせるようにしています。ルルピはグレー色なので、電気がついてないと本当に夜は闇にまぎれてしまって見えないので。

回収するために抱っこしたとき、右側肩甲骨のあたりに親指で違和感がありました。と言っても、気のせいかな?と思う程度で、最近ブラッシングをさぼっていたので、そのせいで小さな毛玉ができちゃったのかな?と思いました。なので小さな毛玉なら手でほぐしてしまおうと思い、親指で触ったあたりを探してみましたが毛玉は見つからず、はて?やはり気のせいだったか?とその晩はそのまま様子見しつつ、心のどこかでひっかかっていました。

 

6月2日

この日も夜の回収に抱っこ。すると先日と同じ場所あたりにやはり毛玉かな?それともしこり?極小さなイボ?のような感触。2回目の違和感なので、ここで確信に変わりました。これは絶対になにかできてる!と思ったので、指で感触をたよりに毛をかき分けて懸命に探したところ、ゴマ粒か、それよりも小さなサイズのイボのようなものが皮膚にあるのを発見。歳を取った猫ならまだしも、ルルピはまだ2歳なので、かなり衝撃でした。一瞬で頭の中に「腫瘍」の文字が浮かびます。

発見時が夜だったので、翌日の6月3日の朝いちばんにかかりつけ医に予約の電話をいれますが、あいにく当日は予約でいっぱいとのことで、次の日の午前中に診てもらうことになりました。

診てもらうまでにネットで情報をあつめたところ、どうやら「肥満細胞腫」の症状に近いなと、素人判断ですが思いました。肥満細胞腫の場合は、良性の可能性が高いとのことだったので、ちょっと安心できました。

また、指の感覚でかろうじてわかる程度の大きさのイボなので、診てもらう際に見つからないなんて事態を避けるため、ちょっとかわいそうですが、イボ周辺の直径3センチ程度の毛をバリカンで剃りました。これはのちにわかりますが、良い判断でした。剃ってあった状態でも、先生でも見つけることが困難だったからです。

 

6月4日

診察してもらいましたが、細胞を取ろうにも、患部の写真を撮ろうにも、スタッフみなさん苦労しておられました。なにせ一番ほそい針でも取れない大きさ、写真を撮っても小さすぎて写真の意味をなさない感じでした。が、皮膚をつまんでアルコールで濡らすとかなり見えやすくなったので、その状態で写真を撮ってもらいました。また、細胞の採取では、針ではなく小さなメスでしこりを縦に半分に割り(と言っても傷自体は1~2mmだったと思うので、本人はまったく気にしていませんでした。ルルピは病院では始終なんでもされるがままの良い猫ちゃんなのです…)、ガラス板にペタペタされて染色してみたところ、どうやら肥満細胞腫っぽいですねという結論になり、ここで切除の手術をすることが決まりました。

先生の説明によると、本来は全身麻酔をかけてやるところですが、今回は発見が早くてしこりが極小さいこと、ルルピが病院ではされるがままで一切暴れることのない猫だということ、ということで局所麻酔で簡単なクッキーの型抜きのような器具で猫にも負担が少ない方法で手術可能であるとのことでした。また、全身麻酔で2~3万、病理検査で2万円ほど飛んでいくので、それでしたらもう切除可能な段階で切除してしまいましょうという方針でしたので、お財布にも優しそうなので合意しました。

また、細胞採取のためにすこしメスで傷をつけたのもあり、細胞を刺激しないためにも(肥満細胞腫は刺激するとヒスタミンがばーっと出て広がる可能性もある、とかなんとかと仰っていた気がします。)、手術当日まで患部を触らないように注意するよう言われました。

先生の経験談ですが、肥満細胞腫には皮膚にできるタイプと内臓にできるタイプがあり、とくに脾臓に肥満細胞腫ができていた猫ちゃんを全身バリカンで剃っていたら、そのバリカンの振動でヒスタミンが一気に噴出して、貧血を起こして死んでしまったことがあるそうです。こわい。

今回は皮膚にできたタイプだったので、早期に発見できて良かったです。

 

6月7日

手術当日。夜中0時から絶食させているのですが、幸いルルピはもともと食にあんまり興味がうすい猫なのであんまり文句も言ってませんでした。まぁキャリーに入れられたら「また病院いくんですか?この間行ったばかりですよね?!」と言わんばかりに鳴いてましたが。

診察台に上がって、まずは採血。毎回そうなんですが、ここでもなんでもされるがままの猫でした。先生によると、「おとなしい猫ちゃんなら、実は猫は一番首から採血するのがいいんですよー」とのことで首に注射刺されてましたが、一切微動だにせず、鳴きもせず、家じゃなんだかんだとウニャウニャ文句言ってくるルルピとはえらい違いです。そして、「じゃあちょっと待合室で飼い主さんは待っててくださいねー」とのことで、私はてっきりこれから手術の準備にはいるのかな~と思いながらのん気に待っていたのですが、約10~15分後に呼ばれた際に「手術おわりましたよ~」でびっくりしました。はやすぎる…! 

先生によると、直径6mmのクッキー型抜き器(と便宜上呼ばせてもらいます)で型抜きしたそうで、切除した皮膚も見せてもらいましたが、本当に小さかったです。ただ、猫本体の皮膚のほうはというと、型抜きすると皮膚の傷口は拡大するというか、張り詰めていた布をハサミで切ると広がるように、傷口自体は少し広がって1cm前後くらいになっていました。それをホッチキスの針のようなもので1つ留めている状態とのことでしたが、出血自体もあまりなく、猫の回復力なら3~4日でくっつきますよとのことでした。一週間後に抜糸(糸ではありませんが)にくるように言われ、3日分の抗生物質2種を処方されました。

「ホッチキスでとめる際に、かぼそくちょっとだけ鳴きましたが、本当におりこうさんでしたよ!」「猫ちゃんで局所麻酔で手術できる子っていうのはめったにいないんですよ~」とスタッフさんや先生に褒められまくって、飼い主はエヘヘ…と照れるしかありません。

また、ノミ予防のレボリューションは続けていますか?との質問には、「うちは外に出すこともないのであまり必要性を感じていないので最初の6か月はやりましたが、その後はやっていません」と正直に申告しました。スタッフさんが言うには、猫自体がお外に出ていなくとも、人間は出入りしているので、一応術後ということもありますし、やってもらえますか?とのことだったので、また6か月分購入しました。まぁまた使い切ったら再度言われない限りはやらんでもええかな…と私は思っています。これは飼い主さんたち各自方針が違うと思いますが、ルルピはレボリューションを打つと「なんか変なことされた!!」って暴れちゃうんです。ストレスかけてまでやるリスクを天秤にかけたとき、まだうちは若いしそんなに積極的にやらんでもいいかなと、今のところは考えています。

 

処方された抗生物質は「そのままチュールかなにかで包んで飲んでくれるなら一番よし。無理そうなら砕いて」とのアドバイスされましたが、うちのルルピはチョロかったので、スプーンに錠剤をのっけてその上からチュールをかけてしまえばあっという間に完食しました。天才、きみの名前は今からチョロ子だ。

 

病院から帰ってきた直後は傷口周辺をなめてましたが、去勢手術のときとくらべたらそんなに気にしている様子でもなかったので、本当に負担の少ない手術だったみたいです。

 

6月14日

抜糸日。抜糸は驚くほど簡単に一瞬で終わりました。ホッチキス1本で止まっているだけですから、それをピンセットですっと抜いておしまいでした。傷口はもうかさぶたでとじていました。かさぶたがはずれたら綺麗な皮膚が出てきますから、そしたらシャンプーしてもOKだそうです。

また、病理検査の結果も聞きました。結果的にやはり肥満細胞腫でしたが、要約すると綺麗に切除できていること、細胞腫の数も少なかったことなどがレポートとしてあがってきていました。

また、体重は3.32kgで、マンチカンは肥満が厳禁なので「このくらいの体重を維持したらよいですか?」と質問したところ、「そうですね、…まぁでももうちょっとお肉ついてもいいかな?くらいなので大丈夫ですよ」とのことでした。猫は痩せさせるのが大変というイメージなので(なにせ犬みたいに毎日散歩にいくわけじゃないので)、太らせないようにずっと肥満防止系のご飯をいろんなローテーションであげてきたのですが、痩せ気味ならもうちょっと別の系統のフードでもよいのかもしれません。とりあえず換毛期は毛玉が気になる成猫用フードをあげることにしているので、夏に向けてはそのフードですね。

 

また、今回の手術の金額としては、全体で5万7千円ほどでした。これには病理検査の2万円が入っているので、病理検査を断れば3万7千円ほどだったと思います。

私はもうすでに切除したものを病理にまわさなくてもいいかなと思っていたのですが、結果としては安心材料になりました。が、先生の話によると、肥満細胞腫というものは同時多発的にできるタイプが多いらしいので、また発見されるかもしれませんとは言われました。また出来たときには切除はしても病理にはまわさなくてもいいかなと思います。なぜなら、今回のレポート以上の情報はとくに得られなさそうですし、得られたところで最終的に切除のルートしかないからです。投薬で治りますだとかの情報があればまた違ったかもしれませんが、2万円で猫に新しいベッドやら玩具やら買ってあげたほうが猫のQOL的には良さそうだと私は考えます。

 

以上が、今回の発見から切除までのレポートでした!

 

早期発見は、もう毎日猫を触りまくること、指の感覚を大事にすること、くらいしかないかなと思います。私が今回発見できたのも、たまたまいつも触る肩甲骨付近にできたからです。先生によると首から上にできやすいもので、シャムネコに多いとの情報もある、とのことなので、みなさんも気を付けてスキンシップをとってみてくださいね。